金融

間接金融とは

人為的低金利政策による高度成長の促進について、部分的にしか有効でなかったことは否めませんが、重要な副産物を伴っていました。それは銀行や金融業界の発展を促進させ、貯蓄全体から投資主体へ銀行を経由して資金が流れる「関節金融」の優位を定着させたことにあります。

国債、金融債、社債といった債権の発行金利が人為的低金利に規制されていたため、債権に対する金融機関からの需要が少なく、債権市場は未発達の状態を余儀なくされてきました。

しかし間接金融を伴う銀行などは資金調達の預金金利などが人為的低金利に規制され、資金運用側の貸し出し金利は実行金利の形で上昇したわけで、実行金利が見た利ざやは拡大し、採算は著しく良好に改善されました。

いわば買値は低く規制され、売値は自由という商売をしているわけです。このため銀行は目抜き通りに店舗を構え隆々と発展しました。余程の不良債権や不正事件でもない限り、経営難に陥ることは考えられないでしょう。

優位性

このようにしても維持された間接金融の優位は、株式を上場するまでの成長企業を育成する上で大きな役割を果たした事実は否めません。殊にメインバンク制度の下では、企業秘密に属する情報に至るまで企業はメインバンクに開示し、メインバンクはそれに納得すれば、その企業の必要とする資金を徹底して融資を敢行しました。

また、メインバンクが支援をすれば、情報を知らない他の金融機関も安心してその企業に融資をしました。つまり企業秘密を開示していない他の金融機関からも借り入れすることが出来るということです。このような間接金融のメリットが巨額の設備投資を要する高度成長に寄与したといえるでしょう。

しかし企業が十分に成長発展し、株式を上場するようになってくると株式や社債をタイミングよく低利で大規模に発行できるような資本市場は存在していないことから、人為的低金利政策にともなう直接金融の未発達は高度成長にとってはマイナスでしかなかったのです。